本文へスキップ

熊本県八代にある心理カウンセリング・ルーム「メンタル・ケア・ハウス」です。

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.0965-62-3355

〒869-4602 熊本県八代郡氷川町宮原246-16

心の救急箱First-aid kit at the heart


 八代・水俣・芦北地区で発行されていました『DUSUKINディーネット』。
 2008年8月から11回にわたり私(清原加代子)のエッセイが掲載されました。
 題して「心の救急箱」
 私が日頃想い描いている心のあり様を綴ってみましたので、お読みいただけると嬉しいです。

   -1-  -2-  -3-  -4-  -5-  -6-  -7-  -8-  -9-  -10-  -11-

          
    第11回 〜 適 切 思 考 〜
   
 春風に誘われて歩いてみたら、スミレを見つけました。それもコンクリートの割れ目から。美しい紫色、姿形も愛らしく、小さく可憐で、ほのかに香り、それでいてしぶとく強く。しかもアリを利用して種を運ばせるそうで、なんと賢い知恵と生命力。これぞ「草魂」と呼ぶのでしょうか。

 人間も同じです。最近の研究で、人は生まれ時をキャッチして、胎児の方から母体にホルモンを送り、陣痛を促すらしいという新説が出たそうです。実際に、産道に頭を合わせ、陣痛に呼応し、絶妙のバランスを取りながら自らも進み、そして最後は生まれやすいように体の向きまで変えます。誰にも教わらなかったのに、そうまでして私達は誕生したかったのです。何百万年と引き継がれ、進化してきた素晴らしい生命誕生のメカニズムとプログラミングは「草魂」に通じるかもしれません。天性の才能と可能性と自然治癒力を授かり、私たちは誕生しました。産声は歓喜の歌声と私は解釈しています。

 そして人は時に悩み、「自分は駄目な人間だ」と思いつめる場合があります。これは幼い頃、何かミスをして、「お前は駄目だ」と言われた辛い記憶や苦手意識が、成人しても、高齢になっても蘇ってくるからと考えられています。まだ判断力が育っていなかった上に、あまりにも純粋だったため、そのまま「自分は駄目な人間」と存在まで否定して受けとめてしまった「大きな誤解」なのです。
  この世に「駄目な人間」は一人も存在しません。当然、「完璧な人間」も存在しません。どちらも実体がなく、個々人の価値観や思考の中で創り上げているだけです。
 ですから自分を見つめる時は「私の存在は尊い上で、この考え方・感じ方・行動が惜しいので、少し変えてみよう」と具体的に挙げてみましょう。すると「悶々と後悔する」から「すっきり反省する」に変化し、過度に自己否定することなく、謙虚に自己成長することが出来ます。

 心理学の多くは、「過去と他人は変えられない。変えられるのは今の私。私の思考・感情・行動は変えられる」と定義しています。これを知っておくと、他者との無用な疲労から解放されます。「お互いの存在は尊い上で、思考・感情・行動のパターンが違うだけ」と認めることで対立することなく、金子みすゞさんの詩のように「みんなちがってみんないい」と理解出来て、情緒も落ち着き、本来の仕事や学業、自分の目標にエネルギーを注げます。

 人生を心地良く生きたいなら、思考(物のとらえ方)を変えてみると効果的ですよ。産業カウンセラーで「ほめ方・叱り方・教え方」の著者、加藤和昭氏のように、「頑固」を「意志が強い」、「優柔不断」を「思慮深い」、「おせっかい」を「面倒見が良い」などと肯定的に変換してみると、短所は長所でもあることが分かり、納得できます。
 「私は駄目だ」と思っている人は、どうぞ早く誤解を解かれることをお勧めします。あんなにけなげに誕生したご自分に対して失礼です。自分も他者も尊重してこそ対等で調和がとれています。何事もバランス。適切な思考と感情と行動の調和によって、心と体と環境の調和がとれ、健康や円満が手に入ることでしょう。誰の心にも「草魂」は宿っています。「草魂」とは「希望」であり、「平等に授かった可能性」のことだと私は思っています。

 「心の救急箱」は今回で終了です。約2年間、ご愛読頂き感謝申し上げます。このコラムが少しでもお役に立てたなら、嬉しいです。本当に有難うございました。


     
 -1-  -2-  -3-  -4-  -5-  -6-  -7-  -8-  -9-  -10-  -11-



Mental Care Houseメンタル・ケア・ハウス

〒869-4602
熊本県八代郡氷川町宮原246-16
TEL 0965-62-3355
FAX 0965-62-2502